
川面に、ぽつんと浮かぶゴミ袋。
見つけた瞬間、「今日のターゲットはあれだ」と決めました。
ロープの先にフックをつけて、静かに一投。
――カンッ。
まさかの一発ヒット。
「よし、いける。」
そう確信して引き始めた、その瞬間でした。
ビリッ…手提げがちぎれる音
水をたっぷり含んだゴミ袋は、想像以上の重さ。
ゆっくり引いていたはずなのに、
手提げ部分が“ビリッ”と裂け、袋は再び川へ。
正直、ショックでした。
「せっかくかかったのに…」
あの一瞬で、気持ちも一緒に沈みます。
でも、ここで終わるわけにはいかない。
再トライ。もう一度だけ。
深呼吸。
同じ場所へ、もう一投。
――またもや、すぐヒット。
今日はツイているのかもしれない。
いや、ここからが本番です。
今度は祈るような気持ちでロープを握る。
少し引いて、止める。
また少し引いて、止める。
手提げではなく、袋本体にうまく引っかかっていることを信じて。
ゆっくり、ゆっくり…そして
水面から、じわりと姿を現す銀色。
重い。
でも、外れない。
あと少し。
あと少し。
そして――
無事、岸へ。
思わず「よっしゃ」と声が出ました。

ゴミひとつ。でも、達成感は大物級。
たったひとつのゴミ袋。
中身は弁当の空容器たち。
それでも、あの数十秒のドキドキは本物でした。
失敗からの再挑戦。
祈る思いで引き上げた成功。
清掃活動は、地味かもしれません。
でもそこには、小さなドラマがある。
川に浮かんでいたのはゴミ袋。
でも、引き上げたのは“あきらめない気持ち”だったのかもしれません。
また次の一投へ。


